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福井県企業訪問

2025年4月の訪問先は「‘’ものづくり技術‘’を誇る福井県」です。 古くから盛んな繊維産業はもちろん、例えば鯖江市は眼鏡フレームの国内シェア9割を占める一大産地としても有名。他にも漆器、和紙、伝統工芸品など、多様な産業が根付く福井県には、世界や国内で上位のシェアを誇る製品や、独自の技術を武器に挑戦を続ける企業が沢山あります。

今回は地場産業を次世代につなぐ老舗企業5社と、福井県庁が北陸新幹線の県内開業を機に開設した「ふくいイノベーションオフィス」を訪問させていただきました。

訪問先一覧

福井県鯖江市河和田地区にある企業で、機械を使った吹付け塗装を専門としています。伝統的な越前漆器の地で機械塗装を主とし、漆の工程と同様に下地処理から上塗りまで丁寧に塗装と研磨を繰り返すことで、新しい価値や魅力を創造しているのが丸廣意匠さんです。伝統的な形状にモダンな色彩が映える新しい漆器のかたちは、これまでの漆器のイメージを覆すもので、ツアー参加者一同、興味深く拝見しました(写真左)。

漆は塗り始めてから最低3ヶ月から半年かけて硬く丈夫になる素材。一方で機械塗装は約1ヶ月で固く丈夫になります。劣化速度の差はあるものの需要への対応スピードは圧倒的です。近年「漆」を専攻したメンバーが入社したことで、「塗装×漆」という新領域へも挑戦中(写真中央)。伝統文化を復活させつつ、時代に合った技術の継承を模索されています。

鯖江市の繊維産業の中でもレース製造技術に特化した、高品質で快適なレース製品を提供する老舗メーカーであるサバエセンイさん。そのこだわりはデザイン・設計から糸の加工、着色、最終加工まで一気通貫で実現するだけでなく、レースに使用される糸から作るという徹底ぶり(写真左)。その日の気温や湿度、糸の状態に合わせて細かく調整することで、強度を保ちつつも柄の細かい繊細なレースを1枚1枚作りあげていくそうで、いくつもの製造工程に新鮮な驚きを感じながら案内いただきました。

近年はオリジナルブランドの商品化にも力を入れており、既に商品化されている「SOU laceボクサーパンツ(写真右)」を手に取ると、想像以上にストレッチが効いていて、肌触りも良く、通気性も抜群。参加者からは履いてみたい!と声が上がると同時に、更なる商品ラインナップ拡充に向けた意見交換も行ってきました。

創業以来OEM100%のプラスチックフレーム専門で数多くの製品を製造する沢正眼鏡さん。「地域で眼鏡をつくる」「眼鏡で地域をつくる」というビジョンを掲げており、眼鏡製造の要と言われる「磨き」は熟練の職人が担当し1本1本丁寧に仕上げています(写真左)。鯖江のメガネは、日本人の顔の特徴に合ったデザインや、着物に合うようなデザインなど、独特のデザイン性が高いことも魅力。委託元の顔ぶれをお聞きすると、秋元や岡道愛用のブランドフレームを作っていたことが判明し、そのこだわりの強さを聞いて、参加者一同目を丸くしてきました。

近年は若い世代の職人も雇用しており、技術継承を進めているそう。さらに鯖江市内の古民家(写真右)を改装し、快適な住環境を提供することで、ものづくりをはじめとした地域内雇用の創出を目指しています。

独自のカッティングと縫製技術で唯一無二の製品を生み出しているカネマキさん。生地の手配から各種カッティング、縫製、パッケージまでと一貫した受注生産が可能です。特に、アクリル、木材、紙、皮革、布、金属、石、フィルムなど様々な生地に対応できるレーザー加工機では微細な加工も可能であり、特にインテリア製品との相性が抜群。大ロット/小ロットに対応しており、オーロラ(写真左)や企業ロゴといったデザイン性の高いスクリーンカーテンは法人個人共に高い引き合いがあります。

新社屋・工場の建設と共に吸音性に優れたアコースティックボードの加工も可能となり、施工も簡単なため会議室などオフィスデザイン領域(写真中央)での需要が高まっているそうです。QRコード(写真右)はプリントではなく、ドットの1つまでカッティングしはめ込まれており「友人の会社に贈りたい」と参加者も大興奮。加工技術の高さを目の当たりにしました。

創業2006年福井県福井市高木北の住宅街で製造・直売からスタートし、現在は福井市松本に直営店・工場を構えるPANTESさん。こだわりのパン作りは小麦粉を吟味した2種類のブレンドを行い、北海道産ミルク、国産バターを使用して、「低温熟成、高温醗酵」、低温で約1時間蒸し焼きに近い焼き方で、パンの水分を逃がさずにしっとりと焼き上げます。

代名詞である「あん食パン」だけでなく、「極上あんパン」「月替わりスイーツ食パン(4月は抹茶)」などの商品には、常に商品・食材・スタッフ・お客様への「想い」がちりばめられており、関わる全てのヒト・モノ・コトへのこだわりを実感することができました。

地元企業の創業や事業継承、DX推進、技術開発など、様々な分野で企業を支援するためが県外の企業と新たに事業を始めたり、起業したりするのを支援する「ふくいイノベーションオフィス(FIO)」。福井駅西口にある複合施設「FUKUMACHI BLOCK」の6階に構えたこの施設では、福井県産業労働部横断チーム(ふくいイノベーション推進チーム)が入居することで、県外企業と県内企業のビジネスマッチングを強力に推進しています。

県の職員2名が常駐するFIOでは、事業の拡大を目指す県内の企業などから相談を受け付け、専門の窓口を紹介するほか、支援制度の説明や販路拡大などに結びつくセミナーや交流会の案内を実施。オープンスペース(写真左・中央)では定期的なセミナーやワークショップが開催され、その奥にはオフィススペースが設けられています。すでに複数の企業が入居し活動拠点とされていました。

経営者交流会@福井市

夜には、福井駅前で経営者交流会を開催いたしました。福井の食や地酒に舌鼓を打ちながら、訪問先の企業様にもご参加いただき大変有意義な時間を過ごしました。